久しぶりの忍者もの。映画にもなり評判になったデビュー作「のぼうの城」の著者・和田竜が繰り出す時代劇の第二弾である。

時は戦国、「無門」は伊賀の国一番の忍者だったが、惚れた女房お国には頭が上がらなかった。しかし伊賀攻略を狙う、織田信長の次男、織田信雄の軍勢との壮絶な戦いでは、銭の為、女房の為に、猛虎のごとく戦うのだった。

いや~山田風太郎以来の忍者もん、いや風太郎流に言えば忍法もんなのだ。大膳、左京亮、などの豪傑も揃え、痛快無比で迫力満点の戦闘シーンが続く。まさしく娯楽小説の王道を行く出来映えだ。忍者もんといえば、奇想天外な「忍術」がお決まりだが、期待に違わず様々な術を繰り出してくれる。

そう言えば、昔々のベストセラー山田風太郎・忍法帖シリーズでは、オメーはミュータントか?と思わず言い出したくなる無茶苦茶な「忍法」がたくさん登場してたな。世界的ベストセラーであるマンガの「ナルト」でも同様だ。つまりその忍術だか忍法だかのブッ飛びぶりが、忍者もんの面白さを支えているわけだ。

ま~史実に忠実ではエンターテイメントにならず、かと言ってあまりに奇妙キテレツではバカバカしくなってしまうのが、忍者もんの常だ。いくら訓練や鍛錬でとか言い訳しても、物理法則が変わらない限り、垂直の壁をスルスルと上れはしないしな~

にしても「甲賀忍法帖」に登場していた忍者達は、全身の骨が自在に曲がり、蛇のようにどんな狭い穴からでも入れるとか、敵の目を見た瞬間に催眠術で相手を殺せるとか、いくら切っても決して死なない不死身だとか、かなり反則技のオンパレードだった。それに比べれば、この「忍びの国」に登場する忍者たちは真っ当な方だ。せいぜいあばら骨を自在に外して縄抜けするとか、大人を担いだまま屋根まで飛び上がる程度だ。ま、許せる範囲かな・・・(?_?)

とにかく、ウン十年ぶりに読んだ忍者小説は、とっても楽しめるエンターテイメントであったのだ。「くノ一」が登場しなかったのが、唯一残念だったところかな。