ラノベ世界の大ベストセラー「涼宮ハルヒ・シリーズ」第2弾。ほとんどアダルト向けギャグアニメの世界を、小説にしたような作品である。

宇宙人、未来人、超能力者と一緒に遊ぶのが目的の、「SOS団」を結成した涼宮ハルヒ。文化祭を楽しくするために映画を撮ることになったが、相変わらずの傍若無人ぶりに団員たちは右往左往して・・・。

朝日新聞の書評欄に、ライトノベルの書評が毎回載っている時代なのだ。ま~チョイとラノベの世界でも覗いてみようと、最も売れている涼宮ハルヒシリーズを読んでみたのだが、意外にまともな文章と、マンガを読んでいるようなお気楽なストーリーが新鮮だった。
この2作目は、前作の世界観を引き次いで、さらにSF的ハチャメチャに発展していくのかと思いきや、通常の学園ドラマ・・でもないのだが、方向性が想像と異なった。

ラノベに美少女キャラは必須だが、このハルヒシリーズにも、「朝比奈みくる」というマスコットキャラがいる。引っ込み思案で愛くるしく、小柄だけど巨乳の美少女。世の男たちの、願望だけで出来上がったようなキャラだ。今回は、この子が主演女優として、監督ハルヒに徹底的にイジられ、イタブられるのだ。なんだかな~、そっちかい。

男の子たちの好みが、高校生や大学生たちの欲望が、欲している方向に物語を持っていくのが人気作家の才能なのだろうがね。村上春樹の小説も、やたらポルノチックな表現が多いが、「ボーナスショット」ではないだろうが・・・。

でもま~さすが、一筋縄では語れないのがこの涼宮ハルヒ物語なのだ。ラスト近くになると、登場人物自ら「朝比奈さんは、どうしてあのような容姿と性格をしていると思います?あなたの共感を得やすいからでしょ」と言い出し、お気楽物語の世界が暗転する。バニーガールのコスプレも、ドジな振る舞いも、計算された行動だと言い出す。さらに、未来人だ宇宙人だとかいう設定すら、現実世界とどうすれば折り合いがつくか?と問いかけてさえくるのだ。しかも「夢オチ」はNGで。
SF、特にパルプ物のスペースオペラのパロディとも読める展開に、作者・谷川流の維持が透けて見えてくる。

なにはともあれ、危ない萌え萌えキャラの表紙の文庫を、堂々と買える勇気ある大人だったら、読むのもありでしょ、