恩田陸「MAZE」★★★★ 双葉文庫 260

またもや恩田陸である。しかし、お得意の学園ミステリーではなく、珍しく異国での古代ミステリー風で、なおかつ幻想的な作品なのである。お話は、アジアの西の果ての古代からあるという謎の矩形の迷宮から始まる。いったん中に入ると戻って来れない人が大勢いるいるという、人間消失の謎。この迷宮の謎を解き明かすため、4人の男達が莫大な最新機材を持ち込み、軍まで動員して真相を探り始める。しかし真相に迫る前に1人づつ消えていってしまい・・・。
という、読み出したらやめられない面白さなのである。ラストのオチはいろいろと評価が分かれているようだが、ま~中盤の謎解きや最新ハイテク情報、オカルト風展開など、エンタメ要素が盛りだくさん。こんな小説も書けるのかと改めて作者の力量を再評価してしまった。しかも、登場人物がなかなか魅力的なキャラなので、物語を夢幻の世界に連れて行ってくれるのである。ミステリーでありファンタジーでもありSF的味わいもあり、なおかつインディージョーンズ張りの冒険小説の要素まである、サービス精神満点の小説なのでぜひお勧めしたい作品なのである。