児童文学の名手である森絵都の産経児童出版文化賞受賞作品。生前の罪により死んだ主人公は、あの世で抽選に当選し、下界で再挑戦することになった。ところが自殺したはずの中学生の体に戻った「僕」の家庭は、最低の家族だった・・・。
テーマは重くつらいものだが、全体がファンタジーの設定でしかも軽く爽やかな描き方のため、一気に簡単に読めてしまう。中高生あたりの読者を想定しているようだが、大人が読んでもなかなか人生を考えさせられるお話なのである。社会は様々な人々がいろいろな考え方を持ち生活しているのだ、というごく当たり前の事実を、優しい語り口で語ってくれるので、ヤングアダルトから大人までお薦めできる良品なのだ。