最近、立て続けに成果主義に関連する本を読んでしまったのだ。『職場はなぜ壊れるのか』から1年後に書かれた、この本書『不機嫌な職場』は、サブタイトルが『なぜ社員同士で協力できないのか』とあるが、オビにはデカデカと『あなたの職場がギスギスしている本当の理由』とあり、こちらがタイトルのようにも見える本なのだ。企業コンサルタント・大学の准教授・企業研究の会社の社長など4名の共著の、2008年出版の評判となった新書なのである。
本書では次のような構成になっている。①「いま、職場で何が起きているのか」どこか冷めた感じのする職場、ギスギスする職場が増加している実態の紹介。②「何が協力関係を阻害しているのか」その協力関係を阻害する要因を探っている。③「協力の心理を理解する」社会心理からの考察④「協力し合う組織に学ぶ」社員が楽しく働ける職場の事例の紹介⑤「協力し合える組織を作る方法」組織全員に対して共通目標・価値観を地道に継続して共有化を図り、発言や提案を分け隔てなく検討し、よく考えた異動をすることで組織力を高める。さらにインフォーマルな活動を活発化することで、お互いを知る機会を増やす。また、相互に協力し合うことを積極的に促すインセンティブを設けることで、協力し合える組織ができる、としている。⑥「協力への第一歩の踏み出し方」組織の現状を客観的に分析して、組織の問題点を認識し、不信の原因を取り除くことから始めればよい、と提案している。
人生の大半を過す職場なので、どうせなら楽しく、面白く仕事をしたいのは当たり前。なぜこんな簡単なことが出来ないのだろうか?みんなが思っているはずなのに、なぜか事態は逆に動いている。こんな素朴な疑問に対するひとつの回答が、本書である。成果主義そのものを真っ向から取り扱った本ではないが、成果主義から生じる負の側面を、少しでも軽減できる提案である。それならば、この提案をやってみる価値はあるのであろう。現実には経営者の強い意志が無ければ実現は困難なのだが、コンパクトな組織なら組織長の意思さえあれば実現は可能のはず。成功事例が増えていけばノウハウもたまり、手法として確立していくであろう。そのためにも、愚痴を言い合うだけで無く、まずこれらの提言を実践すべきなのだ。