ご存知「しゃばけ」シリーズ第5弾は、初の長編であった。いつもと異なり、あの病弱な若旦那がなんと旅に出てしまうお話なのだ。もちろん、お馴染みの妖(あやかし)達も活躍する、昨年TVドラマ化された、賑やかで楽しいお話なのである。
日本橋の大店のひ弱な若旦那は、いつも妖怪達に守られながら、元気に寝込んでいた。しかし、病だけでは足りず頭に怪我まで負ったために、妖の手代達と兄と共に、箱根へ湯治に行くことになった。生まれて初めての旅に張り切る若だんなだったが、誘拐事件、天狗の襲撃、謎の少女の出現と、旅の雲行きはどんどん怪しくなっていき…。
この「しゃばけ」シリーズも5作目。結構息の長いシリーズとなってきた。どんなシリーズでもそうなのだが、長くなると次第にマンネリ化していくものだ。しかし一旦その世界にはまると、例えマンネリだと分かっていても読まないわけには行かなくなる。我輩が未だに無条件で買ってしまうシリーズものには、夢枕獏『陰陽師』シリーズがある。これなどは完全にマンネリ化しているのだが、安心して読めるので新作が出ると、とりあえず読んでしまうのだ。ま~ほとんど習慣みたいなもんである。その点、石田衣良のライフワーク『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)』シリーズだと、マンネリを感じさせない圧倒的面白さで読ませてしまうのだから凄い。  小説の世界では、歴史小説のジャンルに延々と続く連作というか大長編ものがなぜが多いのだ。塩野七生『ローマ人の物語』が15巻とか、吉川英治のベストセラー『宮本武蔵』とか、北方謙三『水滸伝』だと全19巻にもなる。
これがマンガの世界になると、50巻程度はザラにある。累計発行部数1億5千万を超えた世紀の大ベストセラー『ワンピース』は、まだ続いているが52巻。『こち亀』なんぞは、30年かけて150巻を超えてしまっているが、マンネリだと言われていないところが凄いのだ。
とにかく、ロングランのシリーズものは、如何に際立ったキャラの主人公を創作し、バラエティに富んだ脇役を揃えるかがカギだ。その点、この『しゃばけ』だと、『アンパンマン』や『ポケモン』並に様々な妖を登場させれば話はいくらでも創れそうなので、まだまだ続くだろう。願わくば、マンネリだと言われない程度にはワクワクするお話にしてもらいたいものだ。