タイトルからは、ありきたりの日米比較文化論のように見えるかもしれないが、これがなかなか新鮮な比較文化論なのである。現役のチーフエコノミストだけあって、日米の文化の違いを、経済の観点から読み解いてみせているのだ。
アメリカ人はマックに頼り、日本人はラーメンを極める。要するにアメリカは巨大資本で食文化を均質化し、ジャンクフード文化を世界に広めたが、日本人は小資本で職人が、種々雑多な多様性のある和食を生み出す。このマクドナルドモデルの典型であるハリウッドのディズニーアニメでは、アニメ職人が創るジャパニメーションには勝てないのだ。希望を語るアメリカ大統領と、危機を語る総理大臣。確かに、先日のオバマ大統領の就任演説は未来を語ったが、麻生総理は百年に一回の未曾有の危機を強調している。アメリカ人は対面でディベートし、日本人は世界一のブログ好き。この差が、公教育にあるという意見は慧眼だ。国語教育の時間に、日本は複雑な漢字の勉強に多大な時間を要しているが、アメリカではディベートの練習をするそうだ。これでは確かに差が付くはずである。日本にはビルゲイツはいないが、小金持ちならたくさんいる、だから資金に対するリスク許容度が低い、などなど・・・。
一級のエコノミストなので、経済の話は実に説得力が高い。また平易な語り口なので読みやすく、長い在米経験に基づいた話なので納得感もある。凡百の日米文化論とは、一線を画する新書なのだ。