整体師が探偵役という、珍しいミステリィである。文庫書き下ろしのシリーズもののようだ。
変わり者の整体師・合田力は、“身体の声を聞く”能力に長けていた。助手を務めるのは、屈託のない美人姉妹。しかし彼女たちは、一皮剥くと何がしかの依存症に罹っていた。その合田が、新婚の墨田茜を初めて看たとき、底知れぬ暗い影を感じたのだった。やがてその不安が現実となって茜を襲うとき、合田は救出しようとしたが・・・。
「蔓延する心の病を、鋭くも暖かく描くミステリィの傑作登場」というのが宣伝文句。ま~傑作かどうかは別にしても、なかなか楽しませてくれた。いわゆるドンデン返しのミステリィなのだが、それにしても最後まで謎らしい謎が出てこないので、我輩の趣味とは言えないのだが・・・。といっても、現代の病理を逆手に取った犯罪のアイデアや、人物の造形は上手く、読後感も悪くない。お手軽に読める現代ミステリィである。