ホラー系ばかり9編を集めた人気作家・荻原浩の初短編集である。ホラー系と言っても、そこは『オロロ畑でつかまえて』『仲良し小鳩組』などのユーモア小説も書ける荻原なので、単なる怪談話ではなく、涙も笑いもブラックもある作品集なのだ。
失業中のサラリーマンが格安物件に引っ越した先には、おかっぱ頭に真っ赤な振袖姿の、女の子の幽霊が居ついていた。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた人情もの『押入れのちよ』。かくれんぼの最中に、幼い妹が神隠しにあった。15年後に事件現場に戻った女性は、悲惨な真相に気がつく『木下闇』。そのほか『殺意のレシピ』『介護の鬼』など全9話。
しかし怪談話とは言え、なんだかね~後味の悪い話が多いのだ。表題作やいくつか良い味のもあるのだが、ブラックと言うより、陰惨な感じがする話が多すぎるのだ。巷では評判がよろしいようなので、ま~我輩は少数派かもしれんが・・・。短編集には、当たりはずれがあるとは思うが、読んで良かったという話の方が少ないと、人に勧める気には、ま~なれません。