『下流社会』」で一世風靡した、三浦展の新書であるが、今回は意外とレベルが低い。なにせオビが「草食系男性は肉食系女性に食い散らかされる!今こそ男性を保護せよ!!」という、情けないものなのだ。
内容は、最近の男女の恋愛行動に関するアンケート調査とその考察。前半が例のごとくデータの羅列とその分析なのだが、データからは当たり前過ぎる分析結果しか出てこない。おそらくこの本の企画は、「草食系男子」という言葉が流行り始めたので、恋愛に関して若者からアンケートを取ってデータ分析すれば、何か面白い結果でも出るだろう、という安直な考えで作られたのにちがいない。ま~著者があの『下流社会』の三浦展なので、アンケートの切り口はもちらん「格差」。しかし出た分析の結果は、モテる男は、ますますモテて、「非モテ」男はドンドンモテなくなるとか、正社員でないとモテないとかばかり。なんだか当然というか当たり前の話ばかり。わざわざアンケート集計してデータ分析する必要あるの?というのが正直な感想。もっとも、著者自身さすがにこれでは面白くないと思ったようで、後半は二人の女性にも手伝ってもらい、データの解釈や、「女が男を選ぶ時代になったのはいつからか」についての個人的意見をもらっている。
しかし皮肉なことに、肝心の三浦の解説よりも、この女性ライターによる独断意見の方が、よほど面白かった。このパートは、データや分析結果は参考にもせずに、自分の恋愛経験や友人たちの話をベースに、あまり根拠がない推測ばかりなのだ。しかし30代と思われる既婚女性の意見なので、最近の「婚活」状況が分かり、なかなか興味深い。逆にこのパートが無かったら、この本はほとんど読む価値がないほどだ。
ま~とにかく、やれ「草食系男子」だの「婚活」だの、流行り言葉をネタにした、雑誌レベルに書くべき話であった。