いわゆる「ヤンキー」と日本で言われている「人種」の文化論である。この手の切り口で論じている本もユニークなので、思わず手にとってしまった。ま、社会学系の新書の場合は、前例の少ない土俵で勝負することが必勝パターンであることは確かだ。その意味において、最初の関門は突破していると言える。
最近の新書としては労作の部類で、想像していたよりはるかに網羅的、系統的に書いてある。企画を思いついてから、数ヶ月で上梓するような安直な流行のパターンではない。単行本が売れない「新書ブーム」の中で、とにかく下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、的な粗製乱造の新書販売合戦の時代なので、このようなタイトルだと、一見するとキワモノ的企画にも見えてしまう。しかし、読んでみると意外にも学術的な論じ方なのだ。ま~キワモノ的テーマに対して、大まじめに取り組んだバカバカしい本という見方もできるのだが。もっとも、アニメやゲームのようなオタク系文化も最初は誰もまじめに取り上げようとはしなかった。それこそ90年代では、このようなサブカルチャーはまともな学者なら見向きもしなかったはず。それが2000年代になると、オタッキーな学者が増えてきたのか、このての学問が社会的にも認知されたこともあり、一気にオタク文化が研究対象になってきたようである。
いわゆる「ヤンキー」が、単なる一時的な風俗なのか「ヤンキー文化」と言えるほど持続性があり一般的に認知された「文化」かどうかは、我が輩には分からない。しかし、この著者が述べているように、もしかしたら世界的にみても労働者階級に一般的に見られる普遍性のある「文化」なのかもしれない。このように膨大な資料をバックに系統立てて説明されると、もしかすると金脈を掘り当てたのかもしれない、と思わせるほどの労作であった。