袖木草平という探偵が主役の、シリーズ物第二弾である。いわゆるハードボイルドではなく、探偵が活躍するライトなミステリィなのだ。「ライト」と言ったのは、主人公の袖木草平が女好きというキャラで、被害者や加害者や関係者たちが、みな美人ぞろいという設定だからで、ストーリーは苦い後味が多いシリーズだ。
二十数年ぶりに出会った、袖木の初恋の相手・実可子は、再会後1ヶ月で殺されてしまう。草平は、その美貌の雑貨店オーナーの姪に、捜査を依頼される。単なる強盗殺人でないと直感した草平は、同じ高校の同級生を順に訪ねていくと、・・・。
前作「たぶん彼女は魔法を使う」と同様に、草平は美女たちに心を乱されながらも、自分の過去を探っていく。高校の同級生達に会うことで、草平はいやでも自分の悲惨な過去と向き合うことになる。次第に明らかになる草平の過去を交えながらも、飄々としてお気楽な態度の草平は、着実に犯人を追いつめていく。
結局このシリーズの魅力は、一見すると女たらしの主人公が、複雑な過去を抱えながらも、軽妙な会話でみなを煙に巻きながら、タフに犯人を追っていくところなのだろう。トリックや意外な犯人といった、ミステリィそのもののレベルに特徴があるわけではなく、やはり登場人物たちのキャラで読ませるエンターテイメントなのだ。それでも十分楽しいお話だった。