江戸の料理が主役の人情時代劇短編集の第二弾「花散らしの雨」、第三弾「想い雲」なのである。登場人物が増え、だいぶ賑やかになってきたが、主人公「澪」には相変わらず次々と試練が襲いかかる。
「つる屋」の女料理人「澪」と、吉原の花魁に身を落とした幼なじみの「野江」との話を軸に、ライバル店の妨害工作、病魔との戦い、食中毒騒動、恋わずらい、など波瀾万丈なお話が続く。
◆「花散らしの雨」の献立
・ほろにが蕗(ふき)ご飯
・こぼれ梅
・なめらか葛饅頭
・忍び瓜

◆「想い雲」の献立
・「う」尽くし
・ふっくら鱧の葛叩き
・ふわり菊花雪
・こんがり焼き柿
料理に関してまったく無知な我が輩には、いったいこれらの料理は、江戸時代では一般的なのか、料理の名前は作者の創作なのか、はまったく分からない。しかし、ま~料理は美味そうだし、名前の付け方も上手い。さすがだ。
にしても、魚や野菜の漢字が読めん。情けない。山椒や芹はいいとして、独活(うど)?、蕗(ふき)?、雑魚(ジャコ)、鱧(はも)?などは、フリガナがなきゃ読めんのだ。なので、どうもこの小説は文章が読みづらい。いつものようにスラスラとはいかない。我が輩だけかな~。主婦なら普段読んでる漢字なので、みんな読めるのかな~。
ところで一作目では、まだまだ子供だった澪も、二作目、三作目で次第に精神的に成長していく。料理人としてのプロ意識が芽生え、弟子への指導というか接し方も覚える。少しづつ人間的成長を遂げていく展開は、読んでて納得感があるのだ。
しかしお店の方は、短期間で人気沸騰したり、閑古鳥が鳴いたり、ちょっと極端なのだ。澪の恋や三角関係?を思わせるエピソードなどは、いかにも少女漫画のようなベタな展開。元レディスコミックの原作者の習性かな。
ま~なにはともあれ、良い意味でも悪い意味でも女性読者を強く意識した、ユニークな時代劇なのであった。