これはとんでもない本である。この扇状的なタイトルからでは、軽めのナンパな本としか思えない。しかししてその実体は、最新の動物行動学・進化論をベースにした、男と女の性の行動原理を解き明かした刺激的新書なのだ。
・女は男の顔より指を見る
・人種でペニスサイズに差がある理由
・ハゲの男は病気に強い
・体が左右対称の男がいい男
・浮気で特をするのは女
・日本人はなぜ幼いのか
・九州男は精子の数が多い
いやいや実に好奇心を刺激する話ばかりだ。まず女性がなぜ男の指に興味を示すのか、から説き起こし、女が男を選ぶ行動原理は、如何にできの良い子孫を残すかという理論ですべて説明してみせる。いや~なかなか魅力的かつ説得力のある解説なのだ。なんかフロイトが夢の分析を「性」をキーワードに全部説明してたみたいだ。
なにをバカな、と思うかもしれないが、読んでみれば分かる。長年の生物の繁殖行動の研究結果を、タブー視されていた人間の性行動に応用し、世界中で様々な実験が行われてきてきた成果なのだ。で、人間も動物の一種であり、その行動原理は種の保存という本能ですべて説明できる、と主張する。眉唾ものの面白さだ。
イヤハヤこの本がいわゆる「トンデモ本」なのか、ハタマタ画期的研究成果なのかは紙一重。真偽のほどは我が輩には判断できない。つまり、この本で語られている学説の大半は、外国の研究成果であり、筆者のオリジナルではない。いったいこれらの珍説が、学会で認められているのかどうかは、専門家でないと判断できないからだ。
もっとも、後書きにも書いてあったが、この本は筆者が過去に出してきた多数の本の、集大成的な位置づけのようだ。新説などではなく、世にある種々雑多な人間行動学の学説から、女が男を選択する理論だけを、チョイスしてまとめただけとも言えるのだ。
そーゆー意味では、筆者である竹内久美子は、マーケティングが上手い。みんなの興味が高い、男女関係という下世話な話を、動物行動学の研究成果という化粧を施して、上梓しているのだから・・・。
それにしても、女が男の指を観察しているとはホントですか?