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人工知能講座13

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人工知能講座 第2日

いよいよディープラーニングの仕組み

天馬「おはよう、みんな早いね」
猿田「おはようございます。今、この講義用パソコンを確認していたところです。問題なさそうですね」
天馬「ありがとう。これは猿田くんのパソコンかね?」
猿田くん「いえいえ、ボクはシステム部門なので、PCやネットワークを管理する立場なんです」

しばらくすると、伴くんや愛さんも入ってきた。
日登美さん「それでは全員集まったようなので、本日も天馬先生よろしくおねがいします」
天馬「おはよう。昨日は遅くまで飲んでしまったが、みんなは大丈夫かね。それではさっそく講義を始めよう。最初は皆の目が覚めるように、人気のマリリンを呼び出してみようか。マリリン!」
マリリン「ハーイ。みなさん、おはようございます。今日も元気ですか?」
天馬「相変わらず朝からハイテンションだな。それじゃ講義を始める前に、猿田くんの要望があったので、もうちょっとだけマリリンを見せてあげよう」
スクリーンにマリリンの弾けるような笑顔が映しだされると、薄暗い講義室が一気に華やかになる。天馬がWebカメラを操作すると、マリリンがいる研究室と思われる部屋全体が映しだされた。

天馬「マリリン、ブラインドを開けて外の様子を見せてくれるかな」
マリリンがパソコンから離れ、研究室の窓にかかっていたブラインドをさっと開き、窓を開けると、大きな窓からキャンパスの芝生で学生が数名たむろしているのが見える。窓からの風でマリリンのカールした髪は揺れ、射しこむ朝日で黄金色に輝いていた。スクリーンの中からこちらの会議室まで、爽やかな風が吹き込んだような気がした。

マリリン「天馬先生、これでいいですか」
天馬「いや、逆光になって見づらくなったから、やっぱりブラインドは閉めてくれ。講義を始めるから準備をお願いするよ」
愛さん「なんなんですか、このパフォーマンスは」
天馬「いやなに、猿田くんのちょっとした疑問への回答だよ」
猿田「う~む、すごいな。驚きましたよ、先生。あまりに見事で見とれてしまいました」
愛さん「だから何が?マリリンがブラインド開けただけじゃない。それにマリリンの洋服は昨日と同じに見えたわよ」
天馬「あれ!マリリン昨日は徹夜でもしたのかな~」
伴くん「まぁまぁ天馬先生、僕は納得しましたから講義を始めましょう」

ディープラーニングと機械学習の関係とは

天馬「えーと、ではマリリン、最初に機械学習の種類の図を出してくれ」
マリリン「これでよろしいですか」

天馬「そうこれだ、この図は今まで説明してきた機械学習とニューラルネットワーク、ディープラーニングなどの関係を整理したものだ。前に説明したように、生物の脳をモデルとしたニューラルネットワークは、機械学習の中に分類されている」
愛さん「統計学がベースにある機械学習に、ニューラルネットワークが含まれているのですか?違和感がありますが」
天馬「まあ機械学習の分類にも諸説があるので、必ずしもこの図だけが正解というわけではないがね。ここでは、ニューラルネットワークは教師あり学習に分類している」
伴くん「他にも、強化学習転移学習がありますね」
天馬「転移学習だけは、他と分類の観点が違うのだが、大量の教師データを要するディープラーニングの学習済みモデルを、教師データが足りない別の領域に適用しようという最近注目のモデルだ。強化学習は、教師データがない場合でも報酬を与えることで学習を進めることができる、人工知能をイメージしやすいモデルだ。とりあえずここでは、ディープラーニングはニューラルネットワークに含まれ、教師あり機械学習の1つの分野にあると覚えてくれればよい」
伴くん「そもそも同じコンピューターでソフトウェア処理しているのに、機械学習はそれまでのプログラムと、どこが違うのですか?」
天馬「まあ当然の疑問だな。では、ニューラルネットワークの説明に入る前に、従来からあるプログラムと機械学習の違いから説明しよう」

天馬「この図が以前からあるプログラムをモデル化したものだ。ここでは比較のために手続き型プログラムと呼ぼう。コンピューターに、あるデータを処理させる場合には、プログラムが必要だ。このプログラムとは、入力されたデータに対して、コンピューターが必要な処理を行うための一連の手続きを、人がコンピューター言語で書いたものだな。この場合、あらゆるケースを想定して、人は設計しプログラミングする必要がある。もし想定外のデータや手続きがあると、バグとなり出力結果は異常となることは知っているだろう」
猿田くん「しかしなんでプログラムの間違いを、バグというのだろう」
天馬「それはだな・・・」
愛さん「天馬先生!猿ちゃんは話をそらそうとしているだけなので、相手にしないでください」

天馬「そうか、せっかく博学多才ぶりを披露しようとしたのだが。しかたがない、次は機械学習だ。機械学習はアルゴリズムと教師データを用意するだけで、人がプログラミングする必要は基本的にない。初めに、用意したアルゴリズム(学習モデル)に対して教師データを大量に入力し、その出力結果を評価する。そして期待する結果を出せるようになるまで、その学習モデルのパラメータを人がチューニングすることになる。
評価結果に満足したら、そのチューニングされたアルゴリズムは、学習済みモデルとなる。この学習済みモデルは、教師データが本番データに対しても、十分なレンジを確保しているなら、精度の良い出力結果が期待できる。
従来からある手続き型プログラムでは、あらゆるケースを想定して設計しプログラミングする必要があるが、機械学習では、その役割を教師データに負わせているともいえるな。この学習済みモデルを生成するプロセスが、上の図の学習工程のところだ」
猿田くん「なんだ。プログラミングが不要になるなら、全部機械学習で処理すればいいじゃないですか」
天馬「ところがそうでもない、この手続き型プログラムは、その名の通り決まった手続きだったら正確に処理してくれる。処理ルールが明確なら、試行錯誤が必要な機械学習よりプログラミングした方が早く正確だ。機械学習は、設計しなければならない処理手続きが複雑すぎてよくわからないが、実際のデータは大量にある、という場合に有効になる。だからケースバイケースだな。ここは後で詳しく説明しよう」

天馬「次はディープラーニングだ。機械学習から進化したディープラーニングは、やはり教師データを大量に必要とする。しかし機械学習で必要だった、人の手による試行錯誤のチューニングは必要がない。教師データから直接学習できるので、このフィードバック工程を自動的に行うことが可能となった。このフィードバックの自動化、いわば自己学習が、ディープラーニングの最大の特徴となっている」
愛さん「それは凄いですね。だからディープラーニングが一大ブームになったのですね」
猿田くん「まるで自学自習しているようですね。どっかの塾みたいだ」
天馬「自学自習とはちょっとニュアンスが違うな。ディープラーニングには教師データ、つまり大量の正解/不正解データが必須だから、教師に手取り足取りで教わっているようなものだ。『目標だけ設定してやり方は任せる』のは強化学習の方だな。ここも後から説明する」

次は【人工知能講座14:ニューラルネットワークとはなんだ】

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