お店からのレコメンデーション
天馬「今度は、君たちにも馴染みのレコメンデーション(Recommendation)だ。AmazonのようなECサイトで一度でも買い物すると、類似の商品を勧めてくる宣伝みたいなものだ」
愛さん「あのお勧めは、最初の頃は便利だと思っていましたけど、最近は他のサイトで買おうとしたものまで勧めてくるので、気味悪いですね」
伴くん「ユーザーの行動を追跡するトラッキング機能を、ブロックするブラウザもありますね」
天馬「そうだな。それに画面に広告そのものを表示させない広告ブロッカーもあるぞ。スマートフォンみたいに画面が小さかったり、表示を早くさせるには便利だ」
天馬「ちょいとしゃべるのに疲れたな。マリリン、僕の代わりにレコメンデーションを説明してくれるかな」
猿田くん「やった!これで眠気から覚めるぞ」
マリリン「了解しました。英語のRecommendationとは、日本語で推薦の意味です、以上になります」
天馬「私の指示が悪かったな。マリリン、機械学習におけるレコメンデーションのアルゴリズムの概要を説明したまえ」
マリリン「了解しました。Recommendation AlgorithmとはEC siteなどでUserが興味を持ちそうな商品を推測し、Userに対してRecommendationする仕組みです。推測する方法としては、まずEC site上でUserが投稿したReviewのScore、購買履歴、商品購入の有無などから、そのUserにScoreを付けます。そのScoreからUserのPreferenceをAnalysisして、お薦め商品を推測するのがRecommendation の中でもCollaborative Filtering(協調フィルタリング)というAlgorithmです。
UserがHigh scoreを与えた商品と、類似した商品をRecommendationするのがItem Base Recommendation(アイテムベースレコメンド)です。もしくは、対象者と似た嗜好の利用者を複数選び出して、そのUserの多くがHigh scoreの商品の中で、対象者がまだ購入していない商品をRecommendationするのがUser base recommendation(ユーザーベースレコメンド)です。
新商品の場合には、ScoreがないためRecommendationされない恐れがありますが、この場合には商品属性が似ている既存の商品のScoreから判断します。
Scoreがない新規利用者の場合でも、Profileが似た既存利用者から情報を代用して、Recommendation Itemを推測します」
猿田くん「天馬先生!手抜きしないで、やっぱり先生が講義してくださいよ。マリリンの説明だと、カタカナ言葉がすべて英語になるので、分かりづらいです」
天馬「なんだ、猿田くんが眠そうだったんで、せっかくマリリンを登場させたんだがね。ついでにコーヒーでも飲もうかと思っていたのに、ワガママな奴だな。
人工知能講座を日本語で受けられるだけでも、ありがたいと思え。世界の大半の国は、英語が使えないとITや先端技術は学べないんだぞ。母国語で科学技術を学べる国は、ごく限られているんだ」
愛さん「あら先生、最新のGoogle翻訳だと、世界の100言語以上に対応してますよ。翻訳精度が格段に向上した機械翻訳を使えば、いいんじゃないですか?」
天馬「母国語に翻訳するとは、本来は自国の言語の単語だけで、元の文章の意味を置き換えるべきだろう。例えばMachine learningを日本では『機械学習』としているが、日本人なら文字を読むだけで直観的に理解ができる。漢字の良い点だ。フランス語ではapprentissage automatiqueと置き換えているが、オランダ語や韓国語ではmachine learningとそのままだ。もっとも、置き換えるべき意味や概念が、その言語に最初からなかったら、オリジナルの単語を使うしかないのだがね。日本人は明治時代、先人たちが苦労して外国の概念を漢字に置き換えたんだ。『社会』や『哲学』という言葉というか概念が、江戸時代にはなかったので、明治になって創られている。
ダメだな。私は博識だから、つい知識を披露してしまって講義がなかなか進まないな。しょうがない、次に今までの講義を整理しよう」