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人工知能講座20

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画像まで人工知能は作れる

天馬「それでは近年のディープラーニング研究分野で、最も話題となった画像生成について説明しよう。以前説明した、データ類似度を思い出してくれ。このデータ類似度の考え方を用いることで、画像同士の類似度も測れるようになった」
愛さん「クラスタリングの説明にあった、ユークリッド距離ですね」


天馬「そうだ。データの距離を測る方法にはユークリッド距離以外にもいろいろあるがね。図を見てくれ。画像生成のイメージ図だ。教師画像と類似度が高い画像に、ラベルを付与して分類したのが画像認識だったな。ここでの画像生成とは、教師画像と類似度が高い画像を作り出すことだ。この方法だが、教師画像のデータ分布と一致するデータ分布を作り出すことで可能となる。これは直観的に理解できると思う」
猿田くん「なんだ。同じ画像が欲しければ、画像データをコピーすればいいじゃないですか。まったく同じ画像になりますよ」
天馬「それでは意味がない。画像をゼロから生成することが目的だ。この教師データを基にして、そのデータと似たような新しいデータを創り出すモデルを生成モデルと呼んでいる。この生成モデルの中でも、最近最も研究が進んだのが、GAN敵対的生成モデル)だ。
GANの基本的な考え方はシンプルで、しかもユニークなアイデアなので、たとえ話で説明しよう。図のイラストのように、ニセ札造りの偽造者と警察官の2名の登場人物がいるとする。偽造者は、本物の紙幣と似たニセ札を造ろうとし、警察官はニセ札を見破ろうとする。
下手なニセ札は簡単に警察官に見破られるが、偽造者の腕が上がって精巧なニセ札になっていくと、警察官もなんとかニセ札を見破ろうと頑張って見分けようとする。お互いに切磋琢磨していくと、最終的にはニセ札が本物の紙幣と区別がつかなくなる。

この関係をモデル化したのが、図の下のモデルだ。GANは生成器Gと識別器Dの2つのディープラーニングで構成される。生成器が偽造者で初期値はホワイトノイズを入れる。すると学習が進むにつれ、教師データと同じような画像を発生してくる。識別器が警察官の役割で、画像が教師データなのかそれとも生成されたものかを識別しようとする。最終的には、教師データとよく似た画像が生成できるようになるのだ。
このGANは様々な研究がおこなわれており、ユニークな研究発表が相次いでいるので目が離せない」

天馬「有名なのは、図にあるような顔画像の合成だ。
(メガネ男)-(メガネなし男)+(メガネなし女)→(メガネ女)
このように画像同士を演算して、その画像を出力することができる。また低解像度画像から高解像度画像の生成も行われている。単なるデータのコピーでは、こんな芸当は出来ないだろう」
猿田くん「でも教師データがなければ画像が作れないなら、画像生成じゃなくてやはり画像コピーじゃないですか」
天馬「いやいや、人間でも絵を初めて描くときは、対象物をよく観察してその絵を描くことから始めるだろう。画家の卵なら、著名な絵の模写から始めている。まったくのゼロから創造することは、人間でもほとんど出来ないはずだ」
愛さん「なるほど。何事もお手本が必要なのですね」
天馬「そのとおり。ディープラーニングは、レンブラントの『新作』まで作り出すことができたんだ」
伴くん「どういうことですか?レンブラントは、17世紀のオランダにいた有名な画家ですよね」
猿田くん「レンブラントの絵を手本にして、似た絵を創り出したんですか」
天馬「そんなところだ。346点に及ぶレンブラントの全作品を、3Dスキャンを使ってデジタル化し、学習することで特徴を抽出した。そして題材や油絵の筆づかい、色合いといった、レンブラントのすべての要素を取り込み、絵の具の隆起までも再現したまったく新しい肖像画として、3Dプリントしたのだ」
猿田くん「凄いな。それじゃレンブラントの未発見の絵として売ったら、数十億円で売れるのに」
愛さん「バカね。絵具や画材を分析すれば、すぐにバレるわよ」

次は【ランチタイム】

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