昨年末から始まった、ソフトバンクグループの「ツギクル」による小説のAI分析サービスだが、サービス開始直後に私もさっそく分析を依頼している。その結果のレポートは、既にここで報告済みだが、今年に入ってから私の二編目の小説・ショートショートの分析結果が届いたので紹介してみよう。今回も、きっちり依頼後2日でレポートが届いている。なお、気になった箇所は青字にしてみた。

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■基本情報
・作品のタイトル:ジーザスという名の犬
・メインジャンル:現代文学
・作品の長さ:ショートショート
・連載状況:完結
・作品のキーワード
時代 現代、舞台 日本、主人公の性別 男それ以外(人間以外を含む)、主人公の年齢 30代、主要登場人物の属性 OL/サラリーマン・動物、その他の要素 友情・ハートウォーミング・純文学
・文字数:作品全体1,870文字(400字詰め原稿用紙約5枚)

■AI作品分析総評  2017/01/12 08:10:07
いつもWEBコンテンツポータル「ツギクル」をご利用いただき、ありがとうございます。
ファンタジーブレインで分析した結果、ファンタジーとの相性は524aiと判定されました。
ファンタジー作品の中でも珍しい設定がたくさんありますね。
読みやすい作品だと思います。
全体の印象からすると、恋愛の要素も多くみられますので、登録ジャンルを変更してみても良いかもしれません。
全体のバランスを考えて、うまく文章構造を組み立てられています。
句読点や感嘆符を要所要所で使用すると文章がもっと読みやすくなると思います。

素敵な物語をありがとうございました。
各種分析結果や類似作品も是非ご覧ください。これからもツギクルをよろしくお願いします!
・・・そうそう、AI分析的にとても似た傾向がある作品があるみたいですよ!
■構成要素分析と相性診断
・構成要素
その他要素 39%
恋愛要素 19%
現代文学要素 16%
青春要素 14%
歴史・時代要素 12%
・特徴語:ピノ ジーザス 犬 散歩 ポンタ 会え 遊ん 娘 公園 夫

■文章の読みやすさ
・文章の読みやすさ
一文の平均文長 24文字 一文が長いかな
平均句読点間隔 15文字 ちょうどいいね
改行までの文字数 36文字 改行までの文章が長いかな
名詞の出現率 26% 名詞が多いかな
動詞の出現率 11% ちょうどいいね
接続詞の出現率 0% 接続詞がちょっと少ないかな
受動態の出現率 0% 少し能動的かな
・文章の傾向
ひらがな出現率 48% ひらがながちょっと多いかな
特殊語の出現率 12% 記号などが少ないかな
地の文とセリフの割合 9:1 セリフがちょっと少ないかな
空行率 0% 空行が少ないかな
・文章の構造
異なり形態素比率 71% 標準的な表現力だね
単語の重複率 32% 多くの単語を使っているね

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未だに「ファンタジーとの相性は524ai」という指標は不明。そして、この作品でも構成要素「恋愛要素 19%」となってしまった。ペットの犬が主人公なので、まったく恋愛話ではなく抽出された特徴語でも恋愛とは無関係なので、相変わらず謎だ。構成要素で最下位だが「歴史・時代要素 12%」というのも、これまた理由が分からない。舞台は、まったくの現代なのだが。

日本語の文章を解析する「自然言語処理」は、長い研究の歴史があるが、困難を極めたために遅々として進んでこなかった。それでも単純な「形態素解析」や「係り受け構造解析」などは、プログラマーなら誰でも利用が可能になる時代となった。これがごく近年、Word2VecLSTMにより単純な単語の「感情分析」ではなく、長文の詳細な分析まで実用化されつつある。この「ツギクル」の分析サービスが、具体的にどのようなアルゴリズムを用いているのかは不明だ。しかし日本語の長文解析サービスをやろうとしているのだから、「構成要素分析」にはWord2Vecなどを用いて、文章比較をしているのだろうな。(想像だが)