ソフトバンクグループの「ツギクル」が、12/20から小説を分析し、作者によりよい書き方を助言するサービスを始めた。ツギクルは、ネット小説サイトを運営しており、誰でも自分の小説を登録・公開ができ、アクセス数などの人気指標ランキングが見られるサービス。

このAI技術を応用した新たな取り組みでは、ツギクルへの投稿作品を自動分析し、2日ほど経ってから作者にそのレポートを送ってくる。その分析内容は、ツギクルのテキスト解析エンジンが事前に学習したデータをもとにした、「作品に対する総評、カテゴリーとの相性、構成要素、文章の読みやすさ、文章の傾向、文章の構造、相性のよい作品に関する分析」などとなっている。

そこで、さっそく私も12/22の朝9時に、私が書いたホラー系のショートショート(2124文字)を分析依頼したところ、12/24の朝9時に結果のレポートが送られてきた。きっちり2日間で回答している。その結果レポートは以下のようだった。

—【総評】——————————————————————————————
いつもWEBコンテンツポータル「ツギクル」をご利用いただき、ありがとうございます。
ファンタジーブレインで分析した結果、ファンタジーとの相性は512aiと判定されました。
ファンタジー作品の中でも珍しい設定がたくさんありますね。
なかなかバランスが取れた作品ですね。
全体の印象からすると、恋愛の要素も多くみられますので、より意識してみても良いかもしれません。
適度な割合で用語を用いてしっかりとした文章構造になっている作品ですね。
あとは分析結果をチェックしてみてはいかがでしょうか。

素敵な物語をありがとうございました。
分析結果を是非、小説執筆の参考にしてみてください。これからもツギクルをよろしくお願いします!

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「構成要素分析と相性診断」や「文章の読みやすさ、文章の傾向、文章の構造」は、下にあるグラフの通り。この「ファンタジー」にある「読みやすさ」「傾向」「構造」の分析結果は、文章を形態素解析して「標準的な小説」との分析結果を統計処理しているだけにみえる。だから、ここで比較対象する「標準的な小説」次第で、大きく分析結果が異なるとは思う。どんな小説を「良い」小説としたのか興味はあるので、公開してもらいたいものだ。
このサービスでの「キモ」は、円グラフの「構成要素分析」にあると思うのだが、「恋愛要素」「ホラー要素」「青春要素」「現代文学要素」「童話要素」「その他」の観点で分析されている。サンプルを見ると、これ以外に「SF要素」「ミステリー要素」「ファンタジー要素」などもあり、どうも作品登録時にどのカテゴリーで登録したかで決まるようだ。
私の作品は、小学生が主人公のホラーっぽいショートショートなのだが、なぜか「恋愛要素」が18%と最多要素になっている。作品は公開しているので読んでもらえれば分かるが、恋愛要素は皆無だ。どのように分析しているかは不明だが、おそらく形態素解析した後「特徴となる言葉」を抽出し、その言葉がどんな属性なのかで決めていると想像される。ま~自分で形態素解析して、特徴語を抽出してみれば判明するだろうが、おそらくチューニングしていけば次第に分析レベルは向上していくはず。
ソフトバンクグループが最初にこのようなサービスを始めたのは意外だった。しかしAIというか自然言語処理が着実に高度になってきたので、今後もこのようなサービスが確実に増えていくだろうな。