「Yahoo!知恵袋」がIBM Watsonを活用して、恋愛成就の可能性をすぐに答えてくれるサービス「脈ありチェッカーβ」を、8月から提供を開始。累計300万ダウンロードの実績があるAndroidアプリ「悩み相談できる質問・回答掲示板」への追加機能として提供した。ユーザーが「脈ありチェッカーβ」に恋愛相談をすると、「脈あり」「脈なし」を即座に判定。診断結果は回答の確からしさを示す確信度と共に表示されるとのことだ。
仕掛けとしては、まず「Yahoo!知恵袋」が持つ450万件の恋愛Q&Aを、IBMが今年から開始した機械学習サービス「Watson日本語API」の「NLC(Natural Language Classifier)」で分類して回答モデルを作成。「Document Conversion」と「R&R」のAPI を利用して、ユーザーから「告白しようと思っている相手がいる」などの質問から回答候補を検索。「Dialog」APIを利用して会話を制御して、「脈あり」「脈なし」と回答していると考えられる。
日本IBMは、今年の2月から日本語APIの提供を開始している。Watsonは、元々Natural Language Classifier(自然言語分類)が得意の機械学習マシンだが、それまでは英語しか使えなかった。これをソフトバンクと協力して、やっと日本語も扱えるようになったのだが、今までは銀行向けのヘルプデスクサービスくらいしか実用例がなかった。
今回のYahoo!のサービスはAndroidアプリだが、日本語APIを利用した初めてのB to Cサービス。その意味では非常に先進的なのだが、サービスとしてみると「脈あり」「脈なし」しかないので、乱数で回答する「恋占い」とさして代わり映えがしない。せっかく高度な日本語での自然言語処理までしているのだから、恋愛指南くらいはしてもらいたいもんだ。クラス分類された学習済みMLモデルがあり、分類結果に対する「模範回答」のDBがあるのだから、難しい話ではないと思うのだが。まあ次のバージョンに期待しよう。