dncGoogle傘下のDeepMind社が、学んだことを記憶できる次世代のニューラルネットワーク(Differentiable Neural Computers:DNC)を10月12日に発表した。

このDNCは、学習した情報をメモリに保存し、もし必要があれば似たような状況で応用ができるというもの。ニューラルネットワーク(NN)やディープラーニング(DL)では、最初に大量の教師データを用いて「学習済みモデル」を作り、その学習済みモデルに対して対象データを投入することで結果が得られる。学習結果は、ネットワーク内の「エッジの重み」として表現されるが、別のモデルを作る場合には「重み」はすべてリセットされてしまう「破滅的忘却(Catastrophic Forgetting)」という問題があった。
DNCはこの問題を解消し、例えばロンドンの地下鉄路線図から最短経路を学んだら記憶し、その知識をパリの地下鉄にも応用できると説明している。一般的なDLでは、新しい環境になると再学習させる必要があるが、DNCでは不要になるのだ。ということは、多数の学習済みモデルを同一のDLが持てるなら、従来の目的特化型のDLではなく非常に汎用性の高いDLが実現できることになる。もし記憶した複数のモデルの中から、与えられた課題に最も適したモデルを自動で選べるようになったら、それこそ人工知能に一歩近づくことになるだろう。