機械学習と読書の世界

「データは情報へ知識へと熟成しなければならない」 2017年5月

あまり「情報」と「知識」を区別していない人が多いが、この言葉の意味するところは異なる。「データ」は数値に単位を付加したものだが、「情報」はさらに意味を与えたものだ。例えば「19,000円」はデータだが、「本日の株価19,000円」と言うと情報となる。さらに「過去20年間の日経平均株価の動向」となると知識になる。つまり、「相互に関連する多数の情報を、整理分類して体系化したもの」を知識と言うのだ。

整理分類されていない情報は簡単に入手できるが、その価値は低い。それどころかフェイクニュースの増大したインターネット上は、真偽不明の情報で溢れかえってしまった。ゴミのような情報どころか、害悪のある情報まで大量に垂れ流され続けているのが現代社会の実情だ。

こんなゴミのような情報の大海原に投げ出されている人々は、清濁交った情報を飲み込みながら既に溺れてしまっている。何が正しく何が間違っているのか自ら判断できないため、「周りのみんな」が信用していることだけ何となく信じているようだ。このため人々は簡単に「情報操作」に操られようになってしまった。
こんな混沌とした状況下でサバイバルするには、情報の大海原に屹立する「知識」にすがるしかない。人類は、その歴史の中で「知の宝庫」を営々と築き上げてきた。経験から知識を得て「法則」を発見し、やがて「真理」にまで到達していったのだ。

自然科学は、「再現性」を根拠として法則を積み上げてきている。したがって、そこでの知識は十分に信用されている。しかし人々の倫理観や思想に大きな影響を与える歴史などの社会科学になると、客観的に検証可能な物的根拠が少ない。このため、これが「真実」だという言葉だけで、容易に解釈が変更できてしまう。学者でない限り、その真実とやらの原典までたどって検証できないので、「声の大きい人」の言葉を人々は信じてしまう。

2016年3月にマイクロソフトのチャットボット「Tay」は、ナチスを賛美するなど問題発言を乱発して、あっという間にサービス停止となってしまった。まだ社会勉強をしたことがなかった純粋無垢なTayは、悪意ある人間に簡単に毒されてしまったのだ。その後、2016年12月にマイクロソフトは、「Tay」に代わる「Zo」を発表した。しかしZoは大きく機能が制限され、政治の話などはしなくなっている。

生物の脳を模した多層のニューラルネットワークは、人間が学習するように、データを与えれば学習していき判断が可能となる。与えられたデータからその特徴量を自ら抽出して情報とし、「認識」すなわち「分類基準」として蓄えることができるのだ。つまりAIの認識は与えられたデータがすべてであり、認識ミスの原因は「偏ったデータ」にあるのだ。

人間も同じだ。「偏った教育」で人は軍国主義者にもなれば、平和主義者にもなる。思想信条に、絶対的な基準などはない。戦時中なら敵を大勢殺したら英雄だが、平和な時なら殺人鬼でしかない。インターネット上にある真偽が定かでない莫大な情報にさらされている現代人は、マイクロソフトのTayのように、いつのまにか「偏った情報」で洗脳されていく。統計学的には、取得した情報の過半数が「正しい」なら、人類は正気を保っていられるだろう。しかしフェイクニュースが過半数を占めたら、どうなるのだろうか・・・
そのためにも、「確固たる知識」の習得は、大切なのである。

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